診察室から③|「低カリウム」―その数字には理由がある
先日、長く続く下痢と脱力感に悩んでいる若い患者さんが来院されました。
以前の医療機関で血液検査を受け、低カリウム血症を指摘され、カリウムを補う薬が処方されていました。
もちろん、低くなったカリウムを補充することは大切です。
しかし、診察しながら私が気になったのは、
「そもそも、なぜカリウムが低くなったのだろう?」
ということでした。
詳しくお話を聞いてみると、以前から下痢を起こしやすく、最近になってさらに症状が悪化していることが分かりました。
慢性的な下痢が続けば、体内からカリウムが失われ、低カリウム血症を起こすことがあります。
そこでカリウムを補うだけではなく、下痢の原因を考え、その症状自体に対する治療も行いました。
その後、下痢や体調が改善し、日常生活に戻れるようになったと伺いました。
診療では、異常な検査値を正常に戻すことはもちろん重要です。
しかし、そこで終わらず、
「なぜ、その検査値が異常になったのか?」
まで考えることが、根本的な解決につながる場合があります。
検査値を治療するのではなく、
その検査値が異常になった理由を考える。
心臓外科医として働いていた頃から、私が大切にしてきた考え方の一つです。
