六町ハートクリニックを開院して、実際に診療を始めてみて気づいたことがあります。

それは、比較的若い方の「胸が痛い」というご相談が意外と多いことです。

胸が痛ければ、「心臓の病気ではないか」と心配になるのは当然です。

循環器内科としては、まず狭心症などの心疾患をはじめ、見逃してはいけない病気が隠れていないかを考えます。症状の経過を詳しく伺い、必要に応じて心電図、胸部X線、心臓超音波、血液検査などを組み合わせて評価します。

一方、若い方では、こうした検査で心臓や肺に明らかな異常がなく、筋肉や肋骨周囲、肋間神経などに由来する**胸壁痛(体幹痛)**が考えられることも少なくありません。

体をひねると痛い、姿勢によって変わる、ある一点を押すと痛い――こうした情報も診断の大切な手がかりです。

大切なのは、

「若いから心臓ではない」と最初から決めつけないこと。

そして必要な評価をしたうえで、

「重大な病気はなさそうです」と

確認することにも、検査をする意味がある

と私は考えています。

病気を見つけることだけが診療ではありません。

「心臓ではなかった。それが分かった。」

それも一つの大切な診断です。

胸痛、動悸、息苦しさなど、「こんなことで循環器内科を受診していいのかな?」と思う症状でも、まずはご相談ください。