診察室から④|症状が良くなっても、そこで終わらない
先日、発熱や頭痛、消化器症状、食欲不振などが続いている若い患者さんが来院されました。
経過から脱水傾向も考え、点滴を行ったところ、症状はかなり改善しました。
普通なら、
「楽になってよかったですね」
で診療を終えるところかもしれません。
しかし、診察の中で一つ気になったことがありました。
服用されている薬の中に、血栓症のリスクについて注意が必要な薬剤があったことです。
そこで念のため血液凝固系の血液検査も行ったところ、血栓症の際にも上昇する検査項目が高値を示していました。
もちろん、この検査値が高いだけで血栓症と診断できるわけではありません。
そこで速やかに追加の超音波検査を行い、幸い明らかな血栓がないことを確認しました。
服薬についても一度見直す必要があると考え、処方されている先生へ診療情報をお送りしました。
今回改めて感じたのは、
「症状が改善した」ことと、
「確認すべきことがすべて終わった」ことは
同じではない
ということです。
点滴をして楽になった。
それはもちろん大切なことです。
しかし、
「そもそも、なぜこの症状が起きたのだろう?」
「この患者さんに、ほかに見逃してはいけないリスクはないだろうか?」
と、もう一歩考えることも大切だと思っています。
検査をたくさん行えばよいということではありません。
患者さんのお話、経過、既往歴、服用している薬、診察所見。
それらをつなぎ合わせたときに生じる、
「少し気になる」を放置しない。
それも地域のクリニックの大切な役割だと考えています。
